IMGP9047

インド大反乱・太平天国の乱、暴力 or 英雄的行為?


 

以前、別のブログで、「インド大反乱」と「太平天国の乱」について触れました。

日本という「アジアの光」①~インドネシア・フィリピンなどからアジアから見た日露戦争~

 

今回は、この二つの出来事をもう少し掘り下げて伝えていきたいと思います。
インド大反乱も太平天国の乱も、結局は武力衝突です。
だから、当然、多くの人間の命がなくなってしまいました。

 

悪い見方をすれば、「大量の人が殺されることになった暴力行為」と言うこともできると思います。

 

こうしたことを知ると、以前の私だったら、「武力に訴えるのではなく、話し合いなど、平和的な方法で解決できなかったのか」と、ついつい思ってしまいました。

 

19世紀の出来なんですけどね。
21世紀には21世紀の常識があるように、19世紀には19世紀の常識があります。19世紀に生きた人は、その時代の常識にしたがって行動します。

 

それが当たり前のことなのに、自分は、21世紀の日本の常識から19世紀の出来事を見てしまっていたなあ、と思います。

 

現在のインド人や中国人は、19世紀にした彼らの行為を支持しています。

 

多くの人が殺されることになったインド大反乱(シパーイーの乱)や太平天国の乱を、現代のインドや中国は、愛国的な行為であり、「正しいこと」であると認識しています。

 

その認識は、それぞれの国の歴史書を見ると分かります。
中国の歴史教科書では、太平天国の乱を以下のように記述しています。
「その輝かしい功績は、中国人民が奮闘しつづけることを永遠に激励するであろう(中国の歴史 中国中学校歴史教科書 明石書店)」

 

まあ、中国ではこの乱について、「西洋への抵抗」ということより、「清への抵抗」ということを重視していますけどね。

 

また、インド大反乱について、インドの歴史家は次のように述べています。


「何百もの農民、職人、兵士が一年以上にわたって果敢に戦い、その模範的な勇気と犠牲によって、インド人民の歴史に輝かしい一章を書き残した(近代インドの歴史 山川出版)」


「ジャマー・マスジッド(ウィキペディアより)」

 
「デリー市内最大のモスクであるジャマー・マスジッドの前までイギリス軍が侵攻してくると、白いローブを着て、殉教者のような服装をした夥(おびただ)しい数のムスリムが中から走り出してきて、イギリス人と猛烈に戦い、殺された。

白装束の彼らは銃を使わず、太刀を振りかざして戦い、次々と殺されていった。それはまるで儀式の執行にように見えた。これがデリーにおける聖戦士の集団の最後であった(インド大反乱一八五七年 中公新書)」

 

これら中国とインドの歴史書には、「この争いは、多くの人命が失われた暴力的行為だった」、「平和的手段で解決すべきだった」などという表現も、それを匂わせる記述もありません。

 

「人の命が失われた」という面ではなく、国のために行った「英雄的な行為だった」という面を重視しています。

 

ボクが今まで旅行してきた国では、国のために戦ったことは、多くの命が失われても、その行為が失敗に終わったとしても、「正しい行いだった」と考えられていました。
それが、「世界の常識」なのかもしれません。

 

一つの出来事のどこを見るかで、当然、見え方も違ってきます。

 

私には、中国やインドへの愛国心はありません。
だから、「多くの人の血が流れた」ということに目がいって「暴力行為」のように見えてしまったと思います。

 

ですが、中国やインドでは、彼らの愛国心に着目して「偉業であった」と見ています。

 

愛国心を抜きにしても、現在の中国人やインド人が、19世紀の中国人やインド人たちに、「平和的に解決しろ」とは求めないでしょうね。

 

19世紀の人間に、「インド大反乱」や「太平天国の乱」といった武力に訴えるのではなく、話し合いで問題を解決しろ、というのは、あまりに現実味に欠いています。

 

その当時の西洋諸国が、中印の代表者と話し合いに応じて、その内容に合意し、ただちにインドや中国から出て行く、ということは考えられません。

 

ですが、先ほども言ったように、以前の私は、この時代のことであっても、「話し合いによる平和的な方法で解決できなかったのか」と考えてしまっていました。

 

これはとても、ムリですね。
19世紀のインド人や中国人に、「21世紀の日本の価値観や常識にしたがって行動しろ」と、求めるようなものです。

 

だから、この時代であれば、武力に訴えることもやむを得なかったのではないか、と今は思っています。
過去の出来事を見るときは、意識しないと、ついつい現在の日本の常識から見てしまいがちになると思います。

 

その当時の常識やそこに生きる人の視点をふまえて、その出来事を把握することが大事ですね。

 

ランキングに参加しています。
良かったら、下のボタを押してください。

 

ツイッターしてます。
folow me plz.
@amamatsushizuo3

このブログには、姉妹編があります。良かったら、こちらも、ご覧ください。

・旅行ブログ「ゆかしき世界

 

・英会話ブログ英会話で『ええ会話』」

今、ネイティブから習っているレッスンを復習代わりに、ここで紹介しています。 内容は、中学レベルの英語が中心です。 ただで、レッスンが受けれるようなもので、お得ですよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です