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イスラエルの「嫌われている側の気持ち」④ ~自分たちも分離壁をなくしたい~


 

「この国の人々の質僕な習俗とともに、その飾りのなさを私は賛美する。この国土のゆたかさを見、いたるところに満ちている子供たちの愉しい笑顔を聞き」(ヒュースケン 江戸時代)

「逝き日の面影 平凡社」

 

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ユダヤ人ほど、自分たちの国をもたないことが、どれほど悲惨なことであるかを知っている人たちもいないでしょう。

彼らはそのことによって、「水晶の夜 」や「絶望の後悔 」さらにナチスによる「ホロコースト 」をも経験しています。

 

もちろん、イスラエルが分離壁の建設前から、パレスチナ人に対して厳しく対応してきたことは、私に知っているつもりです。
イスラエルに行って、パレスチナ人から話を聞いたり、ヘブロンに行ってパレスチナ人が生活している様子を見たりもしてきました。

 

パレスチナ人の居住地区であるヘブロンでは、銃を持ったイスラエルの兵士たちが街を取り囲んでいるのを見て、「イスラエルは、ここまでするのか」と怒りさえ感じました。

 
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バナナの向こうに、イスラエル軍の兵士が見える。

 

 
それでも、その「やり過ぎ」に見える彼らの行為には、ユダヤ人の「国を失うこと」に対する恐怖や極度の怯えからくるものがあるのだろうな、と今では考えています。

 

ボクは旅が好きで、いろいろな旅行者のブログを見て楽しんでいます。
イスラエルに行った旅行者のブログを見ていると、巨大な分離壁を前にして、パレスチナ人に深い同情を寄せる一方で、イスラエルを非難しているものが多いと感じます。

 

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分離壁(ウィキペディアから)

 

私は、テレビしかその壁を見たことがありません。
けれど、あの壁の高さと銃を持っているイスラエル兵士の姿を見れば、イスラエルに対して反感をもつでしょうね。

 

国連からも非難されているあの壁には、基本的には反対の立場です。
けれど、壁をなくせば、またパレスチナ人の自爆テロがユダヤ人の居住地区で起きるかもしません。
可能性は、十分ありますと思います。
そうしたら、大勢のユダヤ人が殺されることになるでしょう。

 

「壁をなくすとしたら、代わりにどんな対策をしたらいいのか?」と、イスラエル人に聞かれても、私が有効な対策を示すことなんて、とてもできません。
長い間、国を持たなかったユダヤ人の悲惨な過去を知ったり、イスラエルに関する本を読んだりすれば、イスラエル側にも、「そうせざるをえない理由がある」ことも分かってきます。

 

もちろん、イスラエルのやることすべてを肯定することはありませんが、逆に、すべてを否定する気もありません。
また、知り合いのユダヤ人からは、「イスラエル人も、実は、あの壁をなくしたいと考えている」ということを聞いたことがあります。

 

当然のことですが、あの巨大な壁を建設して維持していくためには、とんでもない費用と時間がかかります。
イスラエル人としても、あの壁がなくなっても平和に生活できるようになればいい、と願っていると言います。
しかし、現時点では、あの壁の建設以外には、自爆テロを防ぐ現実的な方法が見つからないのだから仕方がない、とも言っていました。

 

過去も現在も「嫌われ者」のイスラエルではあるけれど、先ほどのユダヤ人から話を聞くと、やっぱり世界からの非難は気にしているように思います。

 

そのユダヤ人は、何度か日本人から分離壁について聞かれたことがあるそうです。
「イスラエルは、パレスチナ人を苦しめるあの壁をどうして建設しているのか?」
という具合に。
「イスラエルが悪い」という結論が先にあるから、質問と言うよりは、詰問に近いかもしれません。
そのような聞かれ方をされては、良い思いはさすがにしないようです。

 

「でも、仕方ないよ。日本のマスコミの報道が、『パレスチナが善で、イスラエルが悪』というものが多いから。それを見ていれば、ふつうの日本人も自然とそういう考えをするようになるんだろう」
彼は、そんなことを話していました。

 

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逆に、彼がそう質問する人たちに、イスラエルの現状やユダヤ人の歴史について質問しても、「あまり知らない」という答えがほとんどだといいます。
だから、彼がイスラエルの側から、嫌われても壁を建設する理由やいろいろもすると、質問した日本人の態度も変わると言います。

 

その日本人には聞いたことがない話が多く、納得はしなくても、イスラエル側の考えにもある程度の理解を示すようになるそうです。

嫌われる側にも、「嫌われる側の論理」というものがあると思います。
「世界中から愛されながら滅亡するのなら、世界中から嫌われても生き続けることを選ぶ」という考え方がイスラエルにあると

 

本で読んだことがあります。
何の本かは忘れてしまいましたけど…。

でも、こんな言葉もあります。

 

「メイヤー・アミット元モサド長官は、私にこう語った。
『われわれは独立当時から、圧倒的な武器を誇る敵に囲まれ、一日たりとも本当の意味での平和にひたれることなどできなかった。もしイスラエルを失ったら我々の行くところはない。
(憎しみの大地 落合信彦)」

 

アラブ側にはアラブ側の考えや思いが、当然あるでしょう。
同時に、イスラエル側にしてみれば、「この戦いに負ければ、自分たちは滅亡する」という決死の覚悟があって、4回の中東戦争を戦ってきています。

 

現在、イスラエルという国が存在しているということは、イスラエルはこの4度の戦いすべてに勝利したことになります。
でも、この戦いの中で、たった一度だけイスラエルが負けそうになったことがあります。

 

それが第四次中東戦争です。

そのことについて、次回書いていきたいと思います。

「絶望の航海」については、こちらを

「ガンディーのやり方が、ヒトラーやポル・ポトにも通じたの?」④~日本人は杉原千畝だけじゃない~

水晶の夜」については、こちらを。

ナチス政権下のユダヤ人①  ~水晶の夜~

 

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