カテゴリー別アーカイブ: ヨーロッパ

イスラエルの「嫌われている側の気持ち」④ ~自分たちも分離壁をなくしたい~

 

「この国の人々の質僕な習俗とともに、その飾りのなさを私は賛美する。この国土のゆたかさを見、いたるところに満ちている子供たちの愉しい笑顔を聞き」(ヒュースケン 江戸時代)

「逝き日の面影 平凡社」

 

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ユダヤ人ほど、自分たちの国をもたないことが、どれほど悲惨なことであるかを知っている人たちもいないでしょう。

彼らはそのことによって、「水晶の夜 」や「絶望の後悔 」さらにナチスによる「ホロコースト 」をも経験しています。

 

もちろん、イスラエルが分離壁の建設前から、パレスチナ人に対して厳しく対応してきたことは、私に知っているつもりです。
イスラエルに行って、パレスチナ人から話を聞いたり、ヘブロンに行ってパレスチナ人が生活している様子を見たりもしてきました。

 

パレスチナ人の居住地区であるヘブロンでは、銃を持ったイスラエルの兵士たちが街を取り囲んでいるのを見て、「イスラエルは、ここまでするのか」と怒りさえ感じました。

 
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バナナの向こうに、イスラエル軍の兵士が見える。

 

 
それでも、その「やり過ぎ」に見える彼らの行為には、ユダヤ人の「国を失うこと」に対する恐怖や極度の怯えからくるものがあるのだろうな、と今では考えています。

 

ボクは旅が好きで、いろいろな旅行者のブログを見て楽しんでいます。
イスラエルに行った旅行者のブログを見ていると、巨大な分離壁を前にして、パレスチナ人に深い同情を寄せる一方で、イスラエルを非難しているものが多いと感じます。

 

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分離壁(ウィキペディアから)

 

私は、テレビしかその壁を見たことがありません。
けれど、あの壁の高さと銃を持っているイスラエル兵士の姿を見れば、イスラエルに対して反感をもつでしょうね。

 

国連からも非難されているあの壁には、基本的には反対の立場です。
けれど、壁をなくせば、またパレスチナ人の自爆テロがユダヤ人の居住地区で起きるかもしません。
可能性は、十分ありますと思います。
そうしたら、大勢のユダヤ人が殺されることになるでしょう。

 

「壁をなくすとしたら、代わりにどんな対策をしたらいいのか?」と、イスラエル人に聞かれても、私が有効な対策を示すことなんて、とてもできません。
長い間、国を持たなかったユダヤ人の悲惨な過去を知ったり、イスラエルに関する本を読んだりすれば、イスラエル側にも、「そうせざるをえない理由がある」ことも分かってきます。

 

もちろん、イスラエルのやることすべてを肯定することはありませんが、逆に、すべてを否定する気もありません。
また、知り合いのユダヤ人からは、「イスラエル人も、実は、あの壁をなくしたいと考えている」ということを聞いたことがあります。

 

当然のことですが、あの巨大な壁を建設して維持していくためには、とんでもない費用と時間がかかります。
イスラエル人としても、あの壁がなくなっても平和に生活できるようになればいい、と願っていると言います。
しかし、現時点では、あの壁の建設以外には、自爆テロを防ぐ現実的な方法が見つからないのだから仕方がない、とも言っていました。

 

過去も現在も「嫌われ者」のイスラエルではあるけれど、先ほどのユダヤ人から話を聞くと、やっぱり世界からの非難は気にしているように思います。

 

そのユダヤ人は、何度か日本人から分離壁について聞かれたことがあるそうです。
「イスラエルは、パレスチナ人を苦しめるあの壁をどうして建設しているのか?」
という具合に。
「イスラエルが悪い」という結論が先にあるから、質問と言うよりは、詰問に近いかもしれません。
そのような聞かれ方をされては、良い思いはさすがにしないようです。

 

「でも、仕方ないよ。日本のマスコミの報道が、『パレスチナが善で、イスラエルが悪』というものが多いから。それを見ていれば、ふつうの日本人も自然とそういう考えをするようになるんだろう」
彼は、そんなことを話していました。

 

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逆に、彼がそう質問する人たちに、イスラエルの現状やユダヤ人の歴史について質問しても、「あまり知らない」という答えがほとんどだといいます。
だから、彼がイスラエルの側から、嫌われても壁を建設する理由やいろいろもすると、質問した日本人の態度も変わると言います。

 

その日本人には聞いたことがない話が多く、納得はしなくても、イスラエル側の考えにもある程度の理解を示すようになるそうです。

嫌われる側にも、「嫌われる側の論理」というものがあると思います。
「世界中から愛されながら滅亡するのなら、世界中から嫌われても生き続けることを選ぶ」という考え方がイスラエルにあると

 

本で読んだことがあります。
何の本かは忘れてしまいましたけど…。

でも、こんな言葉もあります。

 

「メイヤー・アミット元モサド長官は、私にこう語った。
『われわれは独立当時から、圧倒的な武器を誇る敵に囲まれ、一日たりとも本当の意味での平和にひたれることなどできなかった。もしイスラエルを失ったら我々の行くところはない。
(憎しみの大地 落合信彦)」

 

アラブ側にはアラブ側の考えや思いが、当然あるでしょう。
同時に、イスラエル側にしてみれば、「この戦いに負ければ、自分たちは滅亡する」という決死の覚悟があって、4回の中東戦争を戦ってきています。

 

現在、イスラエルという国が存在しているということは、イスラエルはこの4度の戦いすべてに勝利したことになります。
でも、この戦いの中で、たった一度だけイスラエルが負けそうになったことがあります。

 

それが第四次中東戦争です。

そのことについて、次回書いていきたいと思います。

「絶望の航海」については、こちらを

「ガンディーのやり方が、ヒトラーやポル・ポトにも通じたの?」④~日本人は杉原千畝だけじゃない~

水晶の夜」については、こちらを。

ナチス政権下のユダヤ人①  ~水晶の夜~

 

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イスラエルの「嫌われても強い理由」③ ~バビロン作戦~

 

「この国の人々の質僕な習俗とともに、その飾りのなさを私は賛美する。この国土のゆたかさを見、いたるところに満ちている子供たちの愉しい笑顔を聞き」(ヒュースケン 江戸時代)

 

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前回の記事で、イスラエルが現在、世界から「嫌われている」理由として、パレスチナの分離壁の建設をあげました。

でも、イスラエルは過去にも、「バビロン作戦(イラク原子炉爆撃事件)」という世界を仰天させるような軍事行動を起こして、このときも世界中から大きな非難を浴びています。

 

今回の記事は、この「バビロン作戦」から始めます。

1981年当時、イラクはフセイン大統領のもと、原子力開発を行っていました。
イラクとしては、これは、「平和利用のため」だと主張していたのですが、イスラエルはこれを信じません。

 

まあ、「信じろ」と言う方がムリかもしれませんけど。

 

イスラエルは、この動きを「対イスラエル」をと考えました。

 

「イスラエルのすぐ近くにある反イスラエル国家が、核兵器を手に入れる」ということは、イスラエルにとって大きな脅威になります。
国の存亡にかかわる重大事です。

 

これは、キューバ危機のときのアメリカに似ていますね。 このときアメリは、キューバを海上封鎖してこの事態に対応しましたが、イスラエルは、思い切ったことをしています。

 

というか、とんでもないことです。

 

それがバビロン作戦で、このとき、イスラエルはイラクの原子炉を突然、一方的に空爆して破壊してしてしまいました。
以下、ウィキペディアからの引用になります。

「イラク原子炉爆撃事件(イラクげんしろばくげきじけん)は、イスラエル 空軍機がイラク のタムーズにあった原子力 施設を、バビロン作戦(別名オペラ作戦)の作戦名で1981年6月7日に攻撃した武力行使事件である。これはイラクが核兵器を持つ危険性があるとして、イスラエルが「先制的自衛 」目的を理由にイラクに先制攻撃を行ったものである」

 

ちょっと信じられないことですね。
日本だったら、考えられません。

日本の近くの国が、「平和のため」に原子力施設をつくろうとする。

日本はそれを信じない。
「核兵器を開発して日本の脅威になるかもしれない」と考える。↓
「先制的自衛」として、その国に戦闘機を送ってその施設を爆撃してしまう。

 

もう、小説の世界でしかありえないことです。
このイスラエルの「暴挙」には当然、ヨーロッパを中心として世界中の国が非難の声をあげました。

 

「この攻撃に対し国際連合安全保障理事会決議487がなされ、イスラエルは非難された(ウィキペディア)」

 

先ほどのパレスチナ分離壁の建設やこのバビロン作戦のときもそうですけど、これだけ国際的な批判を受けながらも、イスラエルには、それに動じる気配がありません。

 

ある意味すごいです。
世界から、どれほど嫌われたり批判されたりしても、それをまったく気にしないようなイスラエルの「打たれ強さ」に感心してしまいます。

 

このイスラエルの態度は、一見するとおそろしく傲慢(ごうまん)ですね。
でも、その根底にあるのは、落合信彦氏の記述にある「極度の怯え」かもしれません。

 

「数千年にわたって負け続け迫害され続けてきたユダヤの民たちの『もう絶対に国を失いたくない』という激しい思いの結果であり、極度の怯(おび)えに裏打ちされた強さだった
(憎しみの大地 落合信彦)」

 

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「嫌われる側の論理」② ユダヤ人の「国がない」ということ

 

「日本人は私がこれまで会った中で、もっとも好感のもてる国民で、日本は貧しさや物乞いのまったくない唯一の国です(オリファント 幕末)」 「逝き日の面影 平凡社」

 

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ユダヤ人が受けた最大の苦難といえば、ナチスによるホロコーストでしょう。
これと同じくらいの惨劇は、ちょっと想像できません。

 

「ユダヤ人による国家(イスラエル)の建設」は、ユダヤ人の悲願であって、絶対に必要なことでもありました。
その建国の際に起きたのが、中東戦争です。

 

 第一次中東戦争(パレスチナ戦争)

「1948~49 国連のパレスチナ分割案にもとづいて建国したイスラエルと、建国を認めないアラブ諸国とのあいだの戦争。イスラエルが、委任統治を放棄して撤退を始めたイギリス軍などから武器を調達し、アメリカの支持も得てアラブ側を圧倒した。戦後、イスラエルは分割案の約1.5倍、パレスチナ全域の8割を領土とした(世界史用語集)」

 

ここまで、前回の記事までに書きました。
今回は、ここからになります。
先ほどの中東戦争を、イスラエル側から見るとこうなります。

 

「長い歴史を通して、彼らは常に厳しい現実に直面させられてきた。その現実とは、六百万人の同胞が殺されたホロコーストであり、イスラエル建国を抹殺しようとする敵に囲まれているという事実であり、建国以来、戦ってきた五つの大戦争だ。

負ければ地中海に叩き落され、イスラエルは間違いなく世界地図から消え去る。そういう戦争を独立後わずか40年の間に五度戦い、五度勝った。
それは数千年にわたって負け続け迫害され続けてきたユダヤの民たちの『もう絶対に国を失いたくない』という激しい思いの結果であり、極度の怯(おび)えに裏打ちされた強さだった(憎しみの大地 落合信彦)」

 

「世界から嫌われている国」というのは、一般的に、独裁国家が多いですね。

でも、イスラエルは民主主義と資本主義という世界の多くの国と同じ価値観や経済制度をもっています。

 

にもかかわらず、イスラエルほど、世界中から批判を受ける国もそうはないと思います。
この国が多くの批判を集める理由は、いろいろあります。

 

ですが、イスラエルが批判を受けやすいその大き理由は、「40年の間に五度戦い、五度勝った」という、アラブ諸国を圧倒するイスラエルの強さであることはまちがいありまん。

 

先ほどの記述にあった「五度の戦い」というのが、私にはちょっと分かりませんが、中東戦争なら4回のはずだけれど。
私が知らないもう一つの戦争があったということでしょう。

 

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イスラエルが現在、世界から「嫌われている理由」として、前の記事 では、イスラエルが建設を進めている「パレスチナ分離壁」をあげました
「パレスチナ人の生活を分断させて、彼らの自由を制限している」と、国際社会から非難を浴びているこの壁の建設ですが、イスラエル側にしてみたら、それなりの理由があります。

 

「パレスチナ人のテロリストをユダヤ人が多く住む地域に侵入させないため」というものです。
この壁の建設前は、パレスチナ人による自爆テロが多発して、多くのユダヤ人が死傷していました。

 

そして、世界から非難された分離壁ですが、この建築によって実際に、以下のような効果があったようです。

 

「統計上、分離壁の大部分が完成する前後をみると、2002年には47件の自爆テロが発生し238人のイスラエル市民が犠牲となったのに対して、2008年では自爆テロ2件うち犠牲者1名まで減少している(ウィキペディア)」

 

イスラエルは、この分離壁の建設によって、現在多くの国から非難されています。
でも、この国は、過去にもとんでもないことをして、世界中から非難を受けたことがあります。

 

それが「バビロン作戦」という、国際常識では考えられないような「暴挙」です。
それについて、次回書いていきます。

 

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世界から「嫌われる国」① それでも強いイスラエル

 

上の写真は、バンコクの「日本アニメ祭り」のもの。
いきなり自慢から始まっちゃいますが、実は、日本は世界から好かれています。

 
英国放送協会(BBC)が発表する「世界に良い影響を与える国」で、日本はここ数年、世界のベスト5に入っています。
ちょっと古いけど、Expediaの調査では、世界最良の観光客(ベストツーリスト)に、3年連続で日本人が選ばれています。

 

世界のホテルマネージャーによるアンケート調査で日本人が3年連続で「世界最良の観光客」に! 唯一の欠点は”言葉” ~ エクスペディア・ベストツーリスト 2009 ~

 

その一方、世界から「嫌われている国」というのも存在します。
民主主義を否定したいわゆる独裁国家は、やっぱり世界から嫌われますね。

権利や自由を守られているのは、その国を支配している独裁者や独裁政権だけで、その他の国民は、ただの「被害者」になっているような国です。

 

悪名高い独裁国家といえば、アミン大統領が支配していた時代のウガンダが頭に浮かびます。
ウガンダは、アフリカにある小さな国です。

 
ここでこの人物を取り上げたのは、アミン大統領ほど、「華麗な」ニックネームを持つ人物は、なかなかいないからです。
「黒いヒトラー」や「アフリカで最も血にまみれた独裁者」と呼ばれたのみならず、「人食い大統領」とまで噂されました。

 

具体的には、こんなことをやっちゃっています。

「アジア人(ほとんどは植民地時代に入植したグジャラート州などの出身のインド系移民であり、これに伴いインドはウガンダと国交断絶した)を追放、国民約30万人(40万人説もあり)を虐殺したとして「黒いヒトラー」、「アフリカで最も血にまみれた独裁者」と称された。

「虐殺した政敵の肉を食べた」などの噂を立てられた結果「人食い大統領」というニックネームもつけられたが、実際のアミンは菜食主義者で、鶏肉しか口にしたことがなかったともいわれている(ウィキペディア)」

 

そりゃあまあ、こんなことをしてたら、嫌われますね。
でも、独裁政権ではないのに、嫌われる国もあります。
日本や欧米と同じく、民主主義という共通の価値観をもち、同じ資本主義経済で成り立っている国です。
決して独裁国家ではありません。

 

それにもかかわらず、世界の多くの国から批判や非難を受けて嫌われているという珍しい国があるのです。
それが、イスラエルです。
でも、日本のマスコミから知る限りでは、イスラエルは世界からどう言われようと、それを気にする気配がありません。

 

話はそれますが、この点は、日本とは違いますね。
日本は、外国から何かを言われると、国内の制度をすぐに変えてしまう悪い癖がありました。
日本の外圧の弱さには、世界的にも定評があります。

 

「外圧(外部から働く力。外部からの強い干渉:大辞泉)」

 

英語の電子辞書を引くと、「gaiatsu」という単語があります。「外圧」という日本語がそのまま英語になっているのです。「Borrowed from Japanese」と、日本語に由来する言葉とはっきり書いてあります。

 

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この点、イスラエルは強いです。
イスラエルは、強力な外圧にも動じません。
その一例をあげるとしたら、現在、イスラエルが建設している「パレスチナ分離壁」があります。

 

この壁は、世界的に相当悪名高いです。
「ウィキペディア」には、この壁についてこうあります。

 

「分離壁の建設は国際的に不当な差別であると非難されており、国際連合総会 でも建設に対する非難決議がなされている。

 
国際司法裁判所 は2004年 7月9日 にイスラエル政府の分離壁の建設を国際法に反し、パレスチナ人の民族自決 を損なうものとして不当な差別に該当し、違法であるという勧告的意見を出している。国連総会での非難決議もこれを踏まえたものである」

 

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イスラエルの分離壁(ウィキペディアから)

 

もちろん、日本は、これほどまでに世界から非難されることをすることはないと思っています。
でも、もし、日本が国内でしたことによって、こんな騒ぎになったら、どうなるか?

 

国際裁判所から勧告的意見が出されて、国連総会からは非難決議までされるような事態に至ったら?
日本国中が大騒ぎになって、すぐにそれを改めることは間違いないと思います。
日本がこれほどの「gaiatsu」を跳ね返すとは、きっとムリですね。

 
イスラエルは、これほど世界を騒がせても、それを無視して分離壁の建設を続けています。

 

でも、イスラエルがこれほど頑(かたくな)な態度をとることにも、それなりの理由があるようです。
嫌われる側にも、そうせざるを得ない「嫌われる側の論理」というものがあると思います。

 
今回からは、それをテーマに記事を書いていきます。

 

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外国人から見た日本と日本人、ザビエルが見た戦国時代の日本

上の画像は、ウィキペディアから。

 

今回の記事では、戦国時代に来日した宣教師の「フランシスコ・ザビエル」の目をとおして戦国時代の日本を紹介します。

 

フランシスコ・ザビエルは、もう中学校の教科書でおなじみの人物ですよね。
でも、ザビエルがどのような日本を見ていたかは、あまり知られていないのではないでしょうか?

 

というわけで、戦国時代の日本とともに、フランシスコ・ザビエルという人物にもせまっていきたいと思います。

 

以下の文は、「ザビエルの見た日本 講談社学術文庫」からの抜粋になります。

 

・日本人は、話がわかれば神のことについてむさぼるように耳を澄まして聞きます。私がこれまで会った国民の中で、キリスト教徒にしろ異教徒にしろ、日本人ほど盗みを嫌う者に会った覚えはありません。

 

・大抵の日本人は字が読めるので、私たちの教会の祈りもすぐ覚えます。

 

・ここにはおいしいものが何もないのです。
いくら食べたいと思っても肉体を満足させるものは全然ありません。ここに住んでいる人びとは決して鳥を殺して食べたりせず、常食は野菜と米で、小麦も、魚も、リンゴも、そのほかの果実も、ここではぜたいく品になっています。

 

・日本人はとても気立てがよくて、驚くほど理性に従います。昔からのやり方がまちがっていて神のおきてが正しいのだということを彼らははっきり悟りました。ただ、自分たちの王を恐れるあまりキリスト教に帰依しないでいるのです。

 

*ザビエルが鹿児島を離れることになったときのこと。

・私たちは信者に別れを告げました。彼らはみな私たちが大好きで、あれほど苦労して永遠の救いに至る道を教えてくれたことに対して涙をこぼして感謝しました。

 

・多くの者はキリストのすばらしい行いの話に吸い込まれるように聞き入りました。キリストの過酷な死の話になると彼らは涙を抑えることができませんでした。しかし実際にキリシタンになった者はほとんどありません。

 

・ミヤコは昔は大都市でした。しかし戦乱が続いて悲惨なことが重なったためにどこもかしこも荒れ果ててしまいました。

 

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・日本人は生まれながらにして好奇心が旺盛で、どこの国の人々も同様に何でも知りたがります。質問と解答について始終ほかの人々と話し合っています。彼らは何でも新しいこと、特に宗教のことが聞きたくてたまりません。

 

 

・キリシタンは信じられないほど私たちを大切にしてくれます。始終私たちの家に来て、なにか手伝えることはないかと尋ねます。 日本人はもともと親切な国民ですが、中でもキリシタンはとてもよい人びとです。彼らほど親切で思いやりのある者はどこにもいないのではないでしょうか。

 

・日本人はどの国民より何ごとでも道理に従おうとします。日本人はいつも相手の話に聞き耳を立て、しつこいほど質問をするので、私たちと論じ合うときも、仲間同士でで語り合うときも、話が全く切りがあません。彼らは地球が円いことを知らず、また、太陽と星の動きについても何も知りませんでした。

 

・私たちが彗星や稲妻や雨の原因について説明すると、彼らは私たちの話に夢中にって楽しそうに聞き入り、私たちをたいへん偉い学者だと思って心から尊敬しました。

 

・私は日本人に口では語り尽くせないほど恩を受けています。日本人を通して主は私の心を照らし、私数えきれないほど多くの罪を犯していることに気づかせてくださいました。

 

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・いくら繰り返しても足りなのは、同志の者たちが予想以上に試練と葛藤に耐えていかなければならないことです。しつこく質問しに来る者たちが昼も夜も跡を絶たず、解放されることはほとんどありません。

 

・この人びとの欠点の一つは、外国人の時間を、特に遠方から来る者たちの時間を平気で取り上げることです。別に悪気はなく、迷惑をかけるつもりも全然ないのですが、相手をばかにしたりみだらな口を利いて相手をからかったりすることはくあります。

 

・聖徳に秀でた神父を日本へ派遣していただけることを力とも慰めとも思っています。その主な動機の一つは、日本の国民が今この地域にいるほかのど国民より明らかに優秀だからです。

 

・日本では厳しい寒さに苦しまなければなりません。寒さをしのぐ方法はほとんどありませんし、体を休めるような寝床さえないことがよくあります。

 

・この地域の厳しい寒さとそのほかの試練に耐えるには当会のベルギー人の司祭、あるいはドイツ人の司祭が適していると思います。
 どうでしょうか?

 戦国時代の日本の様子やザビエルがどのような思いでキリスト教の布教活動をしていたかが、何となくでも見えてきたのではないでしょうか?

 

 ちなみに、これらのザビエルの言葉は、ザビエルがローマのイエズス会に送った手紙の中にあるものです。当然、日本人にではなく、ローマのヨーロッパ人に向けて書いたものです。

 

 ですから、テレビ番組でよくやるような、外国人が言う「ニホンハ、スゴイデスネ~」というお世辞はなく、ザビエルが見て聞いて感じたことをそのまま文にしたものだと思います。 

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外国人に必要な配慮とは?② ~外国人に日本を説明すること~

 

前回の記事で、2020年の東京五輪・パラリンピックについての読売新聞の記事を紹介しました。

 

「外国人向けの地図で、寺院の地図記号は「卍」が、ナチス・ドイツのマークを連想させるという意見が多数寄せられたため、三重の塔のデザインとした」

 

という内容のものです。

この記事を読んで、こんなことを思いました。
「『卍』は変えずにそのままにして、『卍』の説明文を添えればいいんじゃないの?」

 


それが、欧米人の考え方にも沿っていると思うからです。

2012年2月24日のニューズウィークという雑誌に、「ヒトラー『わが闘争』今さら出版する訳」という見出しで、次のような内容の記事がありました。

 

「世界中で忌み嫌われるナチスの独裁者アドルフ・ヒトラーの著書『わが闘争』。反ユダヤ思想に満ちたこの本の抜粋に解説を付けて、英出版社アルバルタスがドイツで出版する」

 

欧米では、ナチスに関するものはタブーとされているので、街で鉤十字などナチスを連想させるものを見ることはないと言います。

 

ナチスを連想させるどころか、ヒトラーのユダヤ人差別思想をそのまま伝える「我が闘争」になると、大きな問題になり、このようなニュースになります。

 

このことについて、毎日新聞の記事(2016年1月9日)に、このようなものありました。
「ヒトラー「わが闘争」再出版 戦後発禁の著書」という見出しの記事です。
大よそ、このような内容です。

 

・第二次大戦後、事実上出版が禁じられてきたナチスの独裁者ヒトラーの著書「わが闘争」がドイツで再出版されることが決まった。

・この本は、「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)で知られるナチスのイデオロギーの柱になった著書(同記事)」というもので、これをを読んだ人が、ヒトラーの考えに感化されて、ユダヤ人など外国人差別を助長させる可能性がある「危険な書」でもある。

・そのため、この本をそのまま出版させるわけにはいかず、780ページ程度の原作に、膨大な注釈(補足的な説明・解説)を付けたために、約2000ページの本になっている。

 

原作の3倍近い量の注釈を必要とする本というのもすごいですね。
ですが、この本の影響を受けて人種差別思想をもたないようにするためには、絶対に必要な処置なのでしょう。

 

それほど危ない本なのだから、「出版しない方がいい」という意見もありましたが、ドイツでは再販が決められました。

 

このことをどう思うか、アメリカ人、イギリス人、フィリピン人に聞いてみました。
彼らは関心の差はあるけれど、ナチスのことや「我が闘争」の再販のニュースは知っていました。

 

彼らにしてみれば、「地図記号が「卍」から三重塔になる」ということより、「我が闘争が出版される」ということの方に関心があると思います。
逆に、日本では、この本の出版よりも地図記号の変更の方が関心が高いと思いますけど。

 

友人たちはみんな、「我が闘争」の再出版には賛成でしたね。
イギリス人は、こんな風に言っていました。

 

「出版した方がいい。ナチスのホロコースト(ユダヤ人虐殺)は、ナチスドイツだけの責任ではなく、ヨーロッパ全体の責任だ。その悲劇を起こさないためには、ヒトラーの考えを知っておいた方がいい。知らないでいることは良くない」
つまり、「『わが闘争』は、出版することより、出版禁止にするほうが危ない」ということですね。

 

一般に、欧米ではナチスを連想させるものは危険視されていて、タブーになっています。
でも、このように「正しい説明を加えたものなら、世に出してもいい。むしろ出すべきだ」という考えもあります。

 

前回のボクの体験と、欧米のこうした考え方から、「『卍』のマークに注釈(説明)を付けて地図に載せたらいいのに」と、思ったわけです。

 

「ナチスを連想させるから、卍をやめて三重塔にしよう」というのではなく、そのまま「卍」にしておく。
でも、説明を加えて「卍」についての外国人の認識を正しいものにしていく。
これが、外国人への配慮になると思います。

 

それに、日本中の卍を変えることは不可能ですし、いずれどこかで外国人が卍を見ることになると思います。

 

東京オリンピック東京オリンピックで、外国人に「正しい卍の意味を伝える」ということが、後々、いろいろなところで活きてくると思うのですけどね。

 

まあ、この地図記号の変更には他にも理由があるのかもしれませんけど。
ということで、「外国人に必要な配慮」とは、日本のことについて誤解することがないように、日本のことを正しく伝えること、だと思います。

 

でも、そのために一番大事なことは、日本人が日本のことを正しく知っておくことですね。
このブログでいろいろ書いているのも、「そのお役に立てれば」という気持ちがあります。

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外国人に必要な配慮とは?① ~外国人と卍と仏教のお寺~

 

今、日本に来る外国人が急増しているようです。
2015年には、2000万人近くの外国人が日本を訪れています。
ようこそ!

 

この傾向は今後も続くと予想されています。
ということは、日本人が外国に行かなくても、国内で外国人と接する機会はきっと増えますね。
外国人と友だちになって、その外国人をどこかへ連れて行く機会もきっと出てくると思いますよ。

 

先日、知り合いになっばかりのトリニダードトバゴ人が、「お寺に行きたい」と言うので、彼女をお寺に案内しました。
そこで、彼女があるもの見て、絶句してしてしまいました。

 

お寺にあった「卍」のマークを見つけたのです。
「あれはナチスの鉤十字じゃない!」と驚いて言いました。

 

さて、こうした場合、あなたなら何て言いますか?
日本に来てまだ日が浅い外国人をお寺に連れて行ったら、けっこうな確率で起こることだと思いますよ。

 

昨日の読売新聞で、こんな記事を見つかました。

「『卍』ナチス連想で三重の塔に…外国人向け記号(2016年01月13日)」というタイトルの記事です。

 

「2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、国土地理院は「外国人向け」の地図で使用する地図記号を新たに作ることを決めた」

新たな記号では、卍が変更されているということです。

 

 「観光地が多い寺院の地図記号は「卍」だが、ナチス・ドイツのマークを連想させるという意見が多数寄せられたため、三重の塔のデザインとした」

 

最近、ブログ「ニュージーランド人『マジかよ!日本じゃ、これが許されてるのか? 』」という記事でも、「卍」と「ナチスの鉤十字」のことを書いていたので、興味深くこの記事を読みました。

 

 

さて、この「卍」のマークですが、これを変える必要があったと思いますか?
まあ、もう「変えた」と結論が出ているんですけどね。
でも、改めて考えてみる価値はあると思いますよ。
で、ここからは個人的な意見になります。

 

私は、変えなくても良かったと思いますよ。
地図に「卍」を載せて、その横にでも説明をつけておけばいいのではないかと。

 

 

外国人、特に欧米人に対する配慮というのなら、「見えなくする」のではなく、「見せる。そして、適切な説明を加える」ということが大事だと思います。

こう思ったことのは、二つ理由があります。

 

まずは、私の今までの経験によるものです。

私はこれまでに、イギリス人、アメリカ人、フィリピン人、インド人、トリダード・トバゴ人などを日本のお寺に連れて行ったことがあります。
すでにお寺の「卍」を見たことがある人もいれば、初めて見て目を丸くした人もいます。

 

こんななとき、私の場合は、卍について簡単に説明します。頼りない英語ですけど。

 

まず、「卍」の意味ですが、これは「大辞泉」によると、「仏の胸など体に現れた吉祥の印(大辞泉)」とあります。

 

この、吉祥(きちじょう)とは、「めでたい兆し」のことで、英語の辞書をひくと、「good」「happy」「lucky」などの言葉が出てきます。
仏教のシンボルなのだから、悪い意味のはずがありません。

 

つまり、「卍」には、「good」「happy」「lucky」の意味があり、ナチスの鉤十字とは、まったく反対のものだ、と話します。
このくらいの説明でも、「ああ、なるほど」と、彼らは意味を理解して納得してくれます。
むしろ、日本での卍の意味を知って「サンキュー」という人もいました。

 

要は、彼らが日本(中国・韓国・インド)での「卍」を正しく知って、それがナチスの鉤十字ではないことを理解すれば問題はないと思います。

 

卍を見ても、ナチスではなく、「good」「happy」「lucky」を連想するようになれば、okですね。
ついでに、こんなことも話します。
一万円札の「万」という漢字は、もともとこの「卍」からできたんだよ、と。
これで、卍を嫌いになるはずがありませんね!

 

まったくボクの個人的な経験ですけど、「卍」に関して外国人への配慮を考えるのなら、正しい情報を伝えて、彼らの認識を変えてもらう方がいいですよ、きっと。

 

それに、こうした考え方は、外国人からも支持されると思います。
その理由を、次回、毎日新聞の記事からお伝えします。
「ヒトラー「わが闘争」再出版 戦後発禁の著書(2016年1月9日)」という記事です。

 

これは、欧米人の価値観や考え方がよく表れている事件だと思います。

 

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「戦争はしません」の結果、第二次世界大戦へ~チェンバレンの宥和政策とチャーチル~

 

「ニューズウィーク2016.2.2号」に、興味深いコラムがありました。
「独裁者から世界を救った名宰相チャーチルの死」というタイトルのもです。
それを読んで、第二次世界大戦が起きた意外な理由があったことを思い出したので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

 

チャーチルという人や第二次世界大戦が起きた理由を知っておいてきっと損はないはずです!

 

以前、イギリス人の友人に、「イギリスで最も尊敬されている人物は?」と聞いたところ、真っ先にこのチャーチルの名をあげていました。何の迷いもなかったですね、即答でした。
そのチャーチルとは、こんな人物です。

イギリス保守党の首相(在位1940~45、51~55)。早くからナチスの強大化を警戒し、宥和政策を批判していた。1945年5月、チェンバレンにかわって首相に就任、ローズヴェルト・スターリンとともに連合国の指導者として活躍した(世界史用語集 山川出版)

 

 

以下の文は、先ほどのニューズウィーク誌(2016.2.2号)のコラムからの抜粋になります。

 

・1人の人間の死が時代の終焉を告げることなど、そうあることでは」ない。1965年1月24日、90歳でなくなったイギリスのウィンストン・チャーチル元首相は、第二次世界大戦という困難な時代を切り抜け、歴史のページをめくった大きな光のような存在だった。
・「彼の名は英語が話され続ける限り生き続ける。ウィンストン・チャーチルは史上最も偉大なイギリス人だったと言っても過言ではなく、言うのに早過ぎるということもない」

 

・39年、ヒトラーが率いるナチスドイツがポーランドに侵攻して大戦が始まると、チャーチルは首相に就任。チェンバレン前首相の宥和政策を退け、勝利に向け全力で戦うことを誓った。

 

・イギリスは英本土上空の戦い「バトル・オブ・ブリテン」でドイツ空軍を撃退。連合軍は44年フランスに上陸し、45年5月にドイツを降伏させた。戦後の世界にとって、ファシズムと真正面から戦い続けたチャーチルはあの戦争を終わらせてくれた恩人でもあった。
・人が死ぬのは人々の記憶から忘れられたとき、という言葉がある。チャーチルは死半世紀がたつ今も、イギリスだけではなく世界中から愛され尊敬されている。

 

・今年発行されるイギリスの新しい5ポンド紙幣には、チャーチルの肖像が採用される。世界を独裁者から救った偉大な宰相からすれば、当然の勲章だろう。

 

先ほどの世界史用語集や以上の抜粋の中に、「チェンバレン」と「宥和政策」という言葉が出てきています。

これは、ご存知でしょうか?
この言葉を説明する前に、第二次世界大戦はなぜ起きたかを確認しておきましょう。
「世界史用語集」には、第二次世界戦の開始について、次のような説明があります。

 

1939年9月1日にドイツのポーランド侵攻に対し、ポーランドの同盟国のイギリス・フランスが9月3日、ドイツに宣戦布告したことから始まった(世界史用語集 山川出版)

 

一言でいえば、「ドイツのポーランド侵攻が原因」ですね。一般的には、これが正しい答えです。

 

ただ、「ドイツにポーランドを侵攻させた」ことについては、他に原因があります。今回の記事では、それを紹介したいと思います。
それが、チェンバレンの宥和政策です。

 

まず「ネヴィル=チェンバレン」という人物について。

イギリス保守党の首相(在位1869~40)。ドイツ・イタリアに対し て宥和(ゆうわ)政策で対応した。ミュンヘン会談で、戦争回避のためにヒトラーの要求を認めたが、第二次世界大戦を防げなかった。戦争指導に対し、党内からも不信の声があがり。1940年5月に首相を辞任した(世界史用語集 山川出版)

 

彼の後に、首相になったのがチャーチルです。
先ほどのコラムで、「世界を独裁者から救った偉大な宰相」として、絶賛された人物です。
チャーチルは、チェンバレンがとったこの宥和政策が間違っていると批判をしていました。

宥和政策とは、一般的に次のようなものをいいます。

妥協点を探り、協議と譲歩によって衝突をさけようとする政策(世界史用語集 山川出版)

チェンバレンがとった宥和政策とは、イギリスとドイツとの戦争を避けるために、ヒトラーに協議と譲歩で臨んだことを言います。

 

これとその後の推移を、イギリス人の視点から見てみましょう。
以下は、「あらすじで読む英国の歴史 (ジェームズ・M・バーダマン)」から引用しました。

「ドイツが隆盛し始めるた数年間、そもそもイギリスはこの国に干渉するつもりなどはまったくありませんでした。外交官たちは、可能な限り争いを避けようとしていたのです。そうした宥和政策の典型は、1938年のネヴィル・チェンバレン首相とヒトラーとの会談でした。ヒトラーに譲歩すれば、ドイツはこれ以上領土を要求することはなくなるだろうと見込んだチェンバレンは、彼の要求のほとんどすべてを容認したのです」

 

「ドイツとの戦いを避け、平和的な手段で問題を解決できた」と確信したチェンバレンは、イギリスに帰国後、「われらの平和」を高らかに宣言しました。

その結果、次のようなことが起来ました。

 

「6カ月後、ヒトラーはこれを破棄し、チェコスロヴァキア全土を占領したのです。イギリスはすぐさま再武装し、ヒトラーに対抗する国々と同盟を結び始めました。最終的にイギリスはフランスを含めた連合国軍に参加し、のちにそこにはアメリカ合衆国とソビエト連邦が加わりました」

こうして第二次世界大戦が始まったことは、先に書いたとおりです。
この本で、著者のイギリス人は、ネヴィルチェンバレンをこう評価しています。

 

「就任後の外交面では弱腰な姿勢が目立ち、宥和政策を敢行(かんこう)したことがかえってヒトラーを増長させ、結局第二次世界大戦を誘引(ゆういん)することになったのです」

世界史用語集には、「戦争回避のためにヒトラーの要求を認めたが、第二次世界大戦を防げなかった」と書いてありました。
ですが、このイギリス人の観点からすると、「戦争回避のためにヒトラーの要求を認めたために、第二次世界大戦を引き起こした」ということなっていてます。

 

現在のイギリス人の多くも、これと同じ見方をしていると思います。

大学で歴史を専攻していたイギリス人に、チェンバレンの宥和政策について聞いてみたことがあります。

 

「あれは、完全に間違っていた。あのとき、イギリスは、戦争だけはしたくないと考えていて、臆病になっていた。もっと早くナチスドイツを叩いておくべきだった。チャーチルがいなかったら、イギリスはナチスドイツのものになっていたはずだ」
つまり、「ドイツが強大化する前に、イギリスやフランスはドイツを叩いておくべきだった」ということを言っていたのです。
確かに、そうしたら、救うことができた命 もあったかもしれません。

 

あくまでも平和を求めて、戦争を避けようとしたために、結果として、戦争を招いてしまった。
多少、皮肉な言い方ですけれど、それも正しい見方だと思います。

 

チェンバレンの宥和政策を批判して、ドイツと戦ったチャーチルが、イギリスで最も尊敬される政治家になっています。
このことからも、この考え方、は多くのイギリス人から支持されているだろうと思います。

 

もちろん、対立が起きたときは、武力でなく、話し合いなど平和的な手段で解決することが一番の理想です。
戦争を避けて平和を求めることは、あまりに当然のことです。
ただ、結果として、それが原因となって戦争を招いてしまうことがあります。現実に、そうしたことが歴史にありました。
現実の世界には、平和的な手段で解決できる相手とできない相手がいます。

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